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介護職の年収はいくら?年収アップの方法も
2024.08.22
介護職は年々需要が高まっていますが、給与が低いというイメージもありますよね。
しかし本当に年収は低いのでしょうか。そこで本記事では、介護職の平均年収についてまとめました。
結論から申しますと、世間のイメージほど低収入ではありません。
年収アップの方法も解説していますので、ぜひご活用ください。
介護職の平均年収
介護職の平均給与は、令和4年9月時点で約31万円でした。年収換算で約380万円です。ここに賞与が上乗せされます。
給与の内訳や資格別での給与は以下のとおりです。
全国平均
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業者における介護職員の平均給与額は、317,540円でした。令和3年12月時点では300,990円でしたので、1.6万円以上給与アップしたことになります。
317,540円の内訳は以下のとおりです。
平均給与額 | 317,540円 |
うち基本給 | 186,190円 |
うち手当て | 80,670円 |
うち一時金 | 50,680円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
年収換算すると381万円です。この数値には賞与が含まれていませんので、全体的な年収は400万円強になるでしょう。
岡山県・広島県の介護職の平均年収
岡山県と広島県で介護職の平均年収を令和5年賃金構造基本統計調査で見ると、一般職員の平均年収がそれぞれ382万円と411万円でした。またホームヘルパーの年収も広島県の方が50万円程度高くなっています。ただしケアマネジャーの平均年収を比較すると岡山県の方が若干高いようです。
介護職でケアマネジャーを目指すならば、どちらの県で働いてもいきつく年収はさほど変わらないと言えるでしょう。
岡山県 | 広島県 | |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 約402万円 | 約395万円 |
介護職員 | 約382万円 | 約411万円 |
訪問介護従事者(ホームヘルパー) | 約310万円 | 約364万円 |
令和5年賃金構造基本統計調査の数値より計算
施設別の平均年収
入職する施設によっても平均年収は変わります。
下記は厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」の一部を抜粋したものです。数値は令和4年9月時点の平均給与を表しています。
この結果によると、夜勤が発生し、かつ身体的な負担の大きい介護老人福祉施設の平均給与が最も高額になり、日勤のみで利用者さんの要介護度も低いデイサービスの給与が若干低めという結果になっています。
年収換算すると、最高額の介護老人福祉施設の平均年収が約417万円、最低額のデイサービスの平均年収が約330万円になります。これに賞与が追加されるので、350万円〜450万円程度が平均年収と言えるでしょう。
少しでも給与を増やしたいなら介護老人福祉施設を、身体的負担を考慮のうえで働くならデイサービスやグループホームがおすすめです。
施設 | 平均給与 |
介護老人福祉施設 | 348,040円 |
訪問介護事業所(ホームヘルパー) | 315,170円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 275,620円 |
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 291,080円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
保有資格別の平均年収
介護系資格を取得している場合と保有資格なしの場合での平均給与の差は約5万円でした。年収に換算すると、保有資格ありの平均年収が約385万円+賞与、保有資格なしの平均年収が約324万円+賞与です。賞与がなかったとしても、年間で60万円以上の差がついていることがうかがえます。
保有資格の中でも高収入なのが介護支援専門員で、40万円近い給与を受け取っています。
なお介護職員初任者研修や実務者研修は、介護系資格の中でも最初に受ける研修です。実務経験がなくても取得でき、かつ保有資格なしよりも年間30万円以上の増額になります。ぜひ取得をご検討ください。
平均勤続年数 | 平均給与 | |
全体 | 8.7 | 318,230円 |
保有資格あり | 8.9 | 321,120円 |
うち介護福祉士 | 9.5 | 331,690円 |
うち社会福祉士 | 8.5 | 352,560円 |
うち介護支援専門員 | 12.7 | 376,240円 |
うち実務者研修 | 6.5 | 302,500円 |
うち介護職員初任者研修 | 8.0 | 302,910円 |
保有資格なし | 5.3 | 270,530円 |
出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」より
パートやアルバイトの平均時給
厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、非常勤の介護職員の平均時給は、令和4年12月時点で1,140円でした。
時給で働く場合、都道府県で地域別最低賃金が定められています。2023年10月以降の全国平均は1,004円ですので、最低賃金よりも100円以上高い時給が設定されていることが分かります。他の職種で働くよりも、高時給になるでしょう。
介護職が年収をアップさせる方法
介護職は入職する施設や地域によって給与に大きな差が生まれます。
それでは、収入アップを目指すならばどうすれば良いのでしょうか。ここでは介護職が年収をアップさせるための具体的な行動をお伝えいたします。
資格を取得する
介護系の上位資格を取得しましょう。
施設によっては資格手当てが加算されます。
資格手当てがなかったとしても、専門的な業務を遂行できるようになり、キャリアアップすることで給与が増額される可能性があります。
現在無資格であれば、まずは介護職員初任者研修から目指してみてはいかがでしょうか。
現在は経済産業省主体でリスキリング事業が推進されており、受講料の最大70%が還付されます。詳細は転職エージェントにお尋ねください。
すでに介護職員初任者研修や実務者研修の資格を取得している人は、社会福祉士などの上級資格を目指しましょう。資格手当の額も高額になりますよ。
夜勤中心に働く
夜勤手当てがつきます。
労働基準法では深夜手当てが定められており、夜22時〜翌朝5時の時間帯に働いた場合、通常の賃金の25%割増の手当てがつきます。つまり、同じ8時間働くにしても、日勤より夜勤の方が給与アップになるのです。
夜勤専門の求人や、夜勤でのみ働く人も少なくありません。
夜勤で働くことを加味するならば、入居型施設で働きましょう。デイサービスやホームヘルパーは、基本的に夜勤が発生しません。
ただし夜勤で働くと昼夜逆転した生活を送ることになり、体調を崩しやすくなります。ご自身の体調と相談しながら検討してください。
役職につく
相談員やケアマネジャー、管理職などにキャリアアップすることで、給与アップを目指します。
相談員もケアマネジャーも一般的な介護職より平均給与が高く設定されており、責任も重くなりますが相応の給与が得られます。
ただし実務経験や介護系の上級資格が必要になりますので、長期的な年収アップの方法として知っておいてください。
給与の高い職場に転職する
たとえば同じデイサービスであっても、施設Aと施設Bでは給与が異なります。
そのため現在の収入に満足していないならば、転職するという手段もあるのです。ご自身の給与が平均に達しているかどうかは、転職エージェントなどに相談すると良いでしょう。また理想とする働き方や給与額が決まっているのならば、達成できる求人を探してくれたり、今後の指針などを教えてくれたりします。
介護職は給与の低いイメージがあるものの、平均給与よりもはるかに高い給与を得られる施設も存在します。求人が出た際には迷わず応募できるように、常日頃から求人情報に目を通しておきましょう。
まとめ
介護職の平均年収は約381万円で、ここに賞与がプラスされます。
さらに年収アップを目指すなら、資格取得やキャリアアップ、転職などを検討しましょう。
また介護職の年収は高収入とは言えませんが、政府は介護職員処遇改善加算などが取り入れられており、少しずつですが上がってきています。
資格取得や加算などで今後も介護職の給与は上がる見込みがあるのです。自分にできる方法で、給与アップを実現してください。
ぜひこの機会に自分らしい働き方を目指してみてはいかがでしょうか。