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年末調整で税金が「還付される人」「還付されない人」
2023.12.14
年末年始は何かと出費がかさむ時期になりますよね、となると年末調整の還付を期待している方も多いのではないでしょうか?
還付される方法は、給与と一緒に支払われる場合や、還付金だけ別途支払われる場合など様々ですが、一般的な還付時期は、12月~1月にかけて還付される人がほとんどです。
では、年末調整で税金が還付される対象となる人は、どのような人なのでしょうか?
そもそも、年末調整って何だろう?
年末調整とは、毎月の給与やボーナスから天引きされた所得税(源泉所得税)を精算する手続きです。
正社員、パ-ト、アルバイトなどの雇用形態に関らず、年末時点で勤務している方が対象となります。
源泉所得税とは、いわば税金の前払い制度なのです。
その仕組みは、1~12月までの1年間の総給与額が確定した年末に、本来納めるべき所得税の金額を計算し、前払いした源泉所得税よりも本来納めるべき税額が少なければ還付され、多ければ追加で納付しなければならないようになっています。
ですから年末になって「あなたの一年間の税金(所得税)は○○万円ですよ。」と言われて「一括でそんな金額支払えない、」という人が出てくるかもしれません。
そうならないために、月々の給与の額から推定して、年間これぐらいの税金になるだろうという金額を、毎月会社が【所得税】として、天引きすることを義務付けられているのです。
どんな人が還付されるの?
所得税は、年間給与の額に応じて計算されますが、必ずしも給与の高い人が多くの税金を支払うわけではありません。
納税者一人一人の個人的な事情、生活背景などを考慮して、所得が控除される仕組みになっているからです。
例えば「養っている家族が多い」「障害をもった家族がいる」「シングルマザー」であるなど家庭事情によって、生活費の負担が大きいご家庭の場合、その分税金が安くなる制度となっています。
還付がもらえる可能性が高いのは、次のようなケースです。
【扶養する家族が増えた】
「高齢の両親と同居し養うようになった」など扶養する家族が増えた場合は、控除の対象となります。
又、子供が生まれたという場合では、12月31日時点で16歳未満は控除の対象にならないため、残念ながら対象外となります。
【生命保険や地震保険に加入した】
将来に備えて任意の保険に加入している人は、その分税金が安くなります。
申請には保険会社から届く証明書を保管し、添付する必要があります。
【家族の国民年金や健康保険料を支払った】
子供が20歳を迎え、年金を納める年齢になったので親が代わりに納付しているという場合、支払った額は、所得控除の対象となります。
また、休職期間があり、自分で国民年金や健康保険料を支払ったという場合も同様です。
【シングルマザー、シングルファザーになった】
要件次第で、控除が受けられることがあります。
これらは、年度末(12月31日)時点における状況によって、計算されますので、年度の途中で家族構成に変化があった場合、還付がもらえる可能性が高くなります。
年末調整を間違えた!?どうなりますか?
仮に、間違えて控除し過ぎてしまったら、どうなるのでしょうか?
例えば、大学生の子供が4月から就職し、扶養から外さなければならないのに、うっかりそのまま年末調整をしてしまったようなケースです。
この場合、翌年に税務署から会社に通知が来て、修正するように指示されます。
マイナンバーの記載が義務化されたことにより、照合が容易になっているんですね。
本当はもっと多く控除できたにも関らず、申告し忘れた場合
この場合、残念ながら税務署からは何の連絡もありません。
あなたはもっと税金が安くなりますよ、還付しますよ、とは教えてくれないのがお役所仕事です。
ただし、後になって、年末調整でもっと還付が受けられたのに、、と分かった場合でも諦める必要はありません。
翌年の3月15日までに気付いたのであれば、確定申告をすることで税金が還付されますし、また、申告期限の5年以内であれば、更正の請求をすることによって、同様に還付を受けることができます。
日本の税制度は自己申告が原則です
最後になりますが、日本の所得税は、「申告納税制度」を採用しています。
つまり「納税者自らが、自分の税金を計算し、納税してください」というものです。
年末調整は、従業員の代わりに会社が申告してくれますが、自己申告をもとに計算されることには変わりありません。
これからの時期、勤務先から年末調整の書類が配布されると思いますし、保険会社から証明書類も届き始める頃ですね。
納税者一人一人、個人的な事情もあり、すべてを会社が把握し、代行してくれる訳ではありません。
記載するのは手間がかかりますが、正しい知識をもって申告し、税金の払いすぎのないようにしたいものですね。