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住民税通知書に「謎の税金」が!? いつの間にか始まっていた「森林環境税」とは?
2025.07.17
会社勤めの方や公務員であれば、6月前後に送られてくる住民税決定通知書、その内容を皆さんは隅々までチェックしていますか??
ふと見たときに「えっ!今までこんなの引かれていなかったよね?」と驚かれた人、いらっしゃるのではないでしょうか。
そのひとつが「森林環境税」です。
この税金は、いつから何の目的で課税されているのでしょうか。
今回は「森林環境税」とはどのようなものなのかお話させていただきます。
森林環境税ってなに?
森林環境税は、日本国内に住所を持つ個人に対して、住民税に上乗せされている税金です。
お金の流れとしては、一度「国税」として徴収したのちに、税収の全額を「森林環境譲与税」として国から都道府県・市町村へ譲与し、「森林整備及びその促進に関する費用」や「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に活用するとされています。
具体的にどのように使われているのかは、各都道府県・市町村のホームページ等で公開されていますので、容易に確認することができます。
使い道の一例としては、群馬県の森林境界明確化促進事業や、大阪府茨木市の公共施設の木質化による木材利用の推進など、幅広く活用されているとのことです。
森林環境税の目的は?
森林環境税が導入された目的は、森林整備や保全活動とのことです。
森林を守るということは、国土の保全、水源の維持、地球温暖化の防止、生物多様性の保全など、私たちの生活を永続的に守ることに正に直結しています。
しかし近年では、林業の廃退による後継者不足問題や所有者不明の土地が増えているという背景から、森林の管理が行き届かず、荒れ果ててしまうというケースが多くみられているとのことです。
森林が十分に手入れされなくなると、災害時のリスクが増えたり、二酸化炭素の吸収力が低下したりするという問題が発生します。森林環境税はこうした問題を解決するため、各地方団体による適切な森林整備を推進するための資金確保という目的で始まった制度なのです。
いつから始まった? いくら引かれてる?
森林環境税は、2024年度から全国一律で導入されました。
税率は市町村民税の「均等割」に、年額1000円が上乗せされる形で徴収されます。
ただし、1000円が一年に一度、給与から引かれるわけではなく、通常は住民税と同様に12ヶ月で分割され、月額83円程度が給与から引かれていることになるのです。なかなか気づきにくいステルス徴収ですね。
徴収内容の確認をしましょう
住民税決定通知書の内容確認を怠っていると、引かれている税金の額や種類が変わっていても気づきにくいものです。昇給や手当の額面での変化があまりなければ、気にならない、気づけない、という人も少なくないでしょう。
しかし住民税決定通知書からは、自分の給与から何がいくら引かれているのかを、具体的に確認することができます。控除内容に問題がないか、ふるさと納税を行った場合は正しく処理されているかなど、きちんと確認しましょう。
「小さな変化」を見逃さない習慣を
この森林環境税は、月で考えるとわずかな額ではありますが、汗水流して稼いだ自分のお金が血税として徴収されているのですから、何の税金がいくら引かれているのか、またその税金はどのような目的で徴収されているのかを常に確認、理解しておくことは、納税者としてとても大切なことです。
また記載の内容についてはさまざまな項目があり、誤記載があるやもしれません。確認は少々難しく感じるかもしれませんが、自分のお金に関する内容を確認する習慣を身につけておくようにしましょう。